見た目の重厚感から、日本でも大変な人気のあるアメリカンバイク。
そのアメリカンバイクの中でも、トップクラスの人気を持つのがドラッグスター400です。
アメリカンバイク自体は250㏄のものも販売されているものの、排気量の小さいバイクはどうしてもボディが小さくまとまってしまうため、厳ついバイクならではの迫力を得ることができません。
このため、中型免許で乗ることができるギリギリの400㏄のバイクを選ぶ人が多いです。
ボディが長く車高が低く、アメリカンバイク特有の足を前に出した姿勢で乗ることができるドラッグスター400は、中型免許でバイクに乗る人にとって選びやすいバイクでした。
400㏄以上の大型バイクに乗りたいと考えている人が、その前に大きな車体に慣れておきたいと考えたときに選びやすいバイクと考えてください。
2017年に発表された平成28年度自動車派出ガス規制強化に対応できないバイクであったことから、惜しくも生産終了となりました。
国産では、400㏄のアメリカンバイクは見られなくなってしまいました。
この記事に書いてあるコト
ドラッグスター400ってどんなバイク?
バイクの老舗・ヤマハが生み出したアメリカンバイクの代表作。
- https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/ds4/index.html
認定型式/原動機打刻型式 | EBL-VH02J/H602E |
---|---|
全長/全幅/全高 | 2,340mm/840mm/1,065mm |
シート高 | 660mm |
車両重量 | 234kg |
エンジン | V型, 2気筒 空冷・4ストローク・SOHC・2バルブ 399cm3 |
内径×行程 | 68.0mm×55.0mm |
最高出力 | 22kW(30PS)/7,500r/min |
最大トルク | 31N・m(3.2kgf・m)/6,250r/min |
エンジンオイル容量 | 3.20L |
燃料タンク容量 | 15L(無鉛レギュラーガソリン指定) |
変速装置/変速方式 | 常時噛合式5速/リターン式 |
変速比 | 1速:2.714 2速:1.900 3速:1.458 4速:1.166 5速:0.966 |
タイヤサイズ(前/後) | 100/90-19M/C 57S(チューブタイプ)/170/80-15M/C 77S(チューブタイプ) |
制動装置形式(前/後) | 油圧式シングルディスクブレーキ/機械式リーディングトレーリングドラムブレーキ |
ドラッグスター400を中型バイクの人気モデルに押し上げたのは、何と言ってもその見た目でしょう。
アメリカンバイクを欲しがる人は車高の低さにこだわりますが、ローダウンフォルムを実現するためにシートの高さを660ミリとかなり低めに抑えています。
抜群の足つき性
この車高の低さは、足つき性の良さにもつながっています。
ドラッグスター400の重量は234キロと、同型のものよりは軽めであるものの重いことには違いありません。
重いバイクの車体を支えるためには、両足をきちんと地面につけることができる足つきの良さが重要になるため、車高が低いドラッグスター400は乗りやすいバイクです。
そのことから、日本人の体型に合ったバイクであると評されることも。
タイヤは幅広のものを使用、バランスがとりやすくなるように工夫
また、乗りやすさの工夫はタイヤにも見られます。
車体が重いバイクはタイヤが細いとバランスを取りにくくなるため、ドラッグスター400は幅色タイヤを採用しました。
フロントタイヤは19インチ・100mmですが、リアタイヤは15インチ・170mmでかなり幅広です。
後輪のタイヤがこれだけ太いと、走っているときの安定感も抜群。
中型ギリギリの大きさのバイクを安全に運転するために、随所に工夫が凝らされていることがよくわかります。
街中でも静かに運転できる!V型ツインエンジンを採用
V型ツインエンジンとは、バイクのシリンダー部分がVの形をしているもののことを言います。
ドラッグスター400も、シリンダーがある場所を見るとVの形をしたシリンダーを見つけることができるでしょう。
このV型ツインエンジンは静粛性脳が高いことで評価が高く、街中の信号待ちでエンジンの起動が多くなっても、音を気にする必要がありません。
街中でバイクを乗るときも、音を気にしなくていいというのはとても大きなメリットです。
美しいクロムメッキパーツ…目を見張る格好良さ
ドラッグスター400が愛される大きな理由のひとつに、クールなクロムメッキパーツがあります。
バイクを見ると多くの場所に黒いメッキパーツが使われており、これが鈍い光沢を放っていて何とも格好いい。
ドラッグスタークラシックだとフェンダーのシルバーがより目立つため、ブラックなクロムメッキパーツの渋さがより光ります。
また、パーツひとつひとつが大きめなため厳つい印象があることもいいです。
大きな話題となったモノショック式リアスイングアームの採用
ドラッグスター400の特徴は、バイクを格好良く見せるためにあらゆる工夫をしているところです。
そのひとつが、モノショック式リアスイングアームを使用したところ。
バイクには、胴体とタイヤをつなぐ場所にサスペンションがついています。
このサスペンションはクッションのような役割を果たし、道がボコボコとしているところを走った時も、胴体や人に与える衝撃を軽減してくれます。
ドラッグスター400は、そこにモノショック式リアスイングアームを使用し、よりクールなデザインに見えるように工夫をしました。
一見するとサスがついていないかのようにも見え、発売当時は「サスがないのか」と思われたほど。
このように様々な工夫が凝らされたドラッグスター400は、安定性の高さから長距離のツーリングにも大変便利なバイクとして知られ、見た目の良さも相まって大変な支持を集めました。
ドラッグスター400のおススメ度
大きいバイクに乗りたいけれど、大型免許を所持していない人におススメです。
中型免許で乗ることができるギリギリの大きさのバイクであること・大きなバイクほど重要になる安定性を重視し、走りやすい工夫を随所に凝らしていること。
アメリカンバイクらしい重厚感と格好良さを重視したいという人にとって、ドラッグスター400はこの上なく素晴らしいバイクになるでしょう。
何より、アメリカンな雰囲気を漂わせるバイクでありながら、日本人に合わせた造りになっているところがポイントです。
ハーレーの様に見えて、よく見れば日本の老舗・ヤマハの遊び心がふんだんに盛り込まれている子のバイクは、まさに日本人のために作られたアメリカンバイクと言えるでしょう。
ドラッグスター400のいい点・悪い点
迫力満点のドラッグスター400。その迫力とは裏腹に足つき性抜群。ドラッグスターのいい点や悪い点をチェックしてみよう!
ドラッグスター400のいい点
いい点は足つき性に優れていること。
リアタイヤが太くなっているなど、運転のしやすさにも気を配ったバイクになっている点です。
また、一番は400㏄には見えない迫力でしょう。
大型バイクと並べても見劣りすることがなく、存在感を損なわないところは「大きくて格好いいバイクが欲しい」と考えていた日本のオーナーを虜にしました。
大型バイクに乗りたくても、日本人の体型では乗りにくいということが多々あります。
日本人が乗れる格好いいアメリカンバイクといえば、ドラッグスター400は文句なしにトップクラスです。
意外に燃費がいいところもメリットとして紹介されており、この点も長距離ツーリング向きです。
人気があるモデルだけに、純正のパーツが多くカスタムがしやすいことも魅力でしょう。
クロームメッキもレッド・ブルーのカラーリングが揃っており、より格好いいバイクを目指しています!
ドラッグスター400の悪い点
このクラスのバイクにしては軽量と言われていますが、それでも234キロという重さはかなりの重量。
エンジンを止めてバイクを移動させるときは、この重さを自分で引っ張らなくてはなりません。
方向を変える時に、自分の腰を押し当てて体重をかけるということもできず、あくまで自分の腕の力だけで押さなければならないという大変さがあります。
女性でも乗れると紹介されており、実際に女性でも乗っていますが、エンジンを停止させて移動させるとなるとかなり辛いことは覚悟が必要です。
また、車体の大きさは小回りのしやすさにイコールです。
ドラッグスター400は、大型バイクとはいかなくてもそのくらいのクラスのバイクなので、街中の狭い道は走りにくく、日常で使うのは大変かもしれません。
ドラッグスター400の査定額と買取相場は?
買取相場は、バイクの状態やその時期によっても異なるので、あくまで参考程度にしてください。
ドラッグスター400→買取価格 5万~25万円ドラッグスター400(クラシック)→買取価格 5~30万2000年に出たものなら、もう少し値段が上がる可能性があるようです。
2010年に発売されたインジェクションモデル(VHO2J)は40万を超えることも。
ドラッグスター400を売る前の基礎知識
ドラグスター400は何度かマイナーチェンジをして販売されており、中でも一番新しいモデルは2010年に発売されたモデルです。
- 1983年 XV400SSpecial(26M)
- 1987年 XV400Virago(2NT)
- 1996年 XVS400ドラッグスター(クラシック)4TR
- 2000年 XVS400ドラッグスター(クラシック)5KP
- 2010年 XVS400ドラッグスター(クラシック)35C
当然ですが、この中で一番高い査定額がつくのは2010年に発売されたもので、その前の年式のものを売る場合は状態の良さで査定額を狙う必要があります。
もちろん、走行距離が短い方がいいことは言うまでもありません。
ドラッグスター400を少しでも高く査定・売却するためには
ドラッグスター400を高額で売りたい場合は、純正のパーツをどのくらい残しているかに左右されます。
このバイクの特徴として、持っていた人の多くが自分なりのカスタムを加えていたというものがあります。
純正のカスタムパーツが多く販売されていたことも、カスタムのしやすさにつながったのでしょう。
しかし、売却をするなら「販売されていた時のモデルにできるだけ近づける」ということが重要です。
カスタムはあくまで人の好みですし、購入する人の多くはもともとあった状態でのバイクを求めますので、カスタムしたままだとむしろマイナスになってしまうことも。
ドラッグスターの場合、もともとの見た目が人気なところもあるため、その点でもノーマルな状態に戻しておくというのは重要なことになります。
ノーマルな状態に戻しただけで、買い取り価格が跳ね上がることもこのモデルでは確認されています。
お店によっては、自分の手で純正パーツに戻して販売することもあるくらいだとか。
純正パーツをきちんと残している方は、カスタムしたパーツを外して純正パーツに戻しましょう。