圧縮比とは、機関の性能を判断するための1つの要素で、ピストンが下死点にある場合のシリンダ容積と、上死点にある場合のすきま容積との比率を圧縮比といいます。
バイクのエンジンでは、爆発力をより大きくするため、空気とガソリンが混じり合った混合気を点火の前に圧縮します。
圧縮比とはバイクのスペックの一つで、混合気をどのくらい圧縮するエンジンなのか、ということを表します。
しくみとしては、シリンダー内に入ったばかりの混合気を、ピストンが上昇して圧縮します。
シリンダーの上部に残る小さな隙間空間は燃焼室です。
ピストンがシリンダの最上端あるときその位置を上死点(top dead center)といいます。
最下端にあるときその位置を下死点(bottm dead center)といいます。
ピストンが上昇する前の位置(下死点)にあるときのシリンダー内体積(元の体積で排気量とも呼ぶ)と、最も上に上がった上死点での体積(圧縮後の体積)の比率が圧縮比となります。
圧縮比が高い方が爆発力も大きくパワーは出ますが、あまり高すぎるとうまく爆発しない可能性が出てきます。
高圧縮ということは即ち高温でもあるということで、点火装置の点火に関係なく自然発火してしまうこともあるのです。
従って圧縮比は高ければいいというものでもありません。
ちなみに、上死点から下死点までの距離を行程(stroke)といいます。
行程に当たる容積を排気量としています。(行程容積)
複数のシリンダがあるとき全部のシリンダの排気量をまとめて排気量を表します。これを総排気量といいます。
ピストンが上死点にあってもシリンダ頂部にはすきまがあります。これをすきま容積といいます。
行程容積プラスすきま容積がシリンダ全体の容積となります。これをすきま容積で割った値が圧縮比です。
圧縮比は、ガソリン機関で4~10、ディーゼル機関で12~24程度となります。