
新車に乗る際に行う慣らし運転。
バイクのエンジン構成部品などの摺動面を均一に摺り合わせるため、慣らし運転期間が必要になってきます。
最初の1000キロほどを目安に、無理のない走行をしましょう。
金属製のパーツの集合体であるバイクのような工業製品は、実際に動かしてみて初めて部品同士の干渉、組み立ての緩みなどの不具合が生じます。
ナットの締め付けとボルトの状態、各パーツの嵌めあい、電気配線の接続、エンジンやトランスミッションなどで使われるオイル-シールの状態、タイヤなどなど、バイクを構成する殆ど全ての部分が実際の走行による熱や振動で初期的不具合を起こす可能性を持っています。
実際のデータでも、乗り始めた初期の故障が多く、その後は時間経過と共に故障率は安定した状態になっていきます。
それらのことをチェックするために慣らし運転を行うわけです。
バイクの慣らし運転とは、新車の納車時から一定の期間、一定の距離をエンジンの回転数や速度を抑えて走る事によって、エンジン、ミッション、サスペンションなどの可動部分をよりスムーズになめらかにしてあげる事です。
慣らし運転をする事によって、エンジン内の金属同士が触れ合う部分の余計なフリクションが減って、エンジンのパワーアップ、燃費向上、性能維持の効果が得られます。そしてアタリをつけてやることで、そのエンジン本来の性能が発揮されます。
バイクの慣らし運転をおこなうことで正常なエンジン性能が得られるとともに、各部品の寿命を延ばします。
また、慣らし運転によって「慣れる」のはマシンだけでなくライダー本人にもいえること。
このところはメーカーの生産技術向上により慣らしは不必要との説もありますが、最初の1000km程度は無理な走行をしないで各部を慣らしてあげるとよいでしょう。