
油冷とは、エンジン内部を循環しているオイルでエンジンの冷却を行う方式のこと。
エンジンオイルは本来、潤滑が主目的で冷却効果は副次的なものに過ぎません。
エンジンオイルでのエンジン冷却はオイルジェットでピストンの裏側にオイルを射出させたり、大型のオイルクーラーを設けて油温の低下を図るなどの工夫により冷却効果を得られます。
基本的には空冷エンジンから派生的存在といえるでしょう。
代表的な油冷エンジン搭載バイクにスズキのGSX1400などがあります。
潤滑油として用いられるエンジンオイルを冷却媒体としても活用するしくみを油冷といいます。
エンジン冷却の方式には他に外気を利用し排熱する空冷と冷却水や冷却液を使う水冷があります。
油冷は潤滑に必要な分よりも多くのエンジンオイルをシリンダーヘッド内部に噴射し熱を奪い、大型オイルクーラーなどで放熱し冷却効果を得るというしくみです。
油冷エンジンで有名なのがスズキのSACS(= Suzuki Advanced Cooling System)という独自のシステム。
エンジンの冷却については水冷が発達している現在ですが、バイクにおいては軽量さと冷却効率のバランスから一部車種では今でも油冷が採用されています。
しかし、それもV型2気筒、単気筒エンジンに限られており、多気筒エンジンにおける油冷は環境に負荷がかかることが明らかなため、多気筒ではスズキバンディット1200、GSX1400が最後となりました。
- 画像はスズキGSX1400
- http://www.bikebros.co.jp/community/IMP_bikeData.php?m=3&s=29&b=9